内外内
本プロジェトは関東のとある住宅の増築計画です。
新たに隣地を購入したクライアントから仕事の為のオフィスと駐車場、そして趣味の為のアトリエと温室を作ってほしいという要望を受けてこの計画はスタートしました。そしてこれに続く大小様々な要望の一つに「大きなFIX窓」がありました。
当初、決して景観が良いとは言えない市街地にあるこの敷地で、大きなFIX窓を採用することになかなか価値を見いだせませんでしたが、FIX窓の配置をコントロールすることで、生活空間が敷地全体で連なるような住宅が出来るのではないかと考えました。
具体的には馴染み深い引違いの窓とFIX窓を並べて配置することで、引き違いサッシの存在感がFIXガラスの存在を希薄にするように試みています。さらに温室や渡り廊下といった日差しが差し込む室内空間との間仕切にも引き違いサッシを使用して、サッシの反対側は屋外という思い込みから、隣接する空間が内なのか外なのか一瞬混乱するような空間を作りました。
結果として敷地全体が一つの生活空間のように感じ取れる空間ができあがりました。