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カサ・ミラ的

敷地は利根川に面した景観のよいところである.二面が道路に接しこの視界が開ける方向が東西軸となっているが,南側に3階建ての縫製会社が敷地を接していたことから,住空間の主軸を西側の通りから利根川方向に据えた.若いご夫婦と幼いお嬢さんふたりという4人家扶の住空間を包み込むヴォリュームの筒が利根川に向かって開いている形態とした.このヴォリュームの上方に個室群,それに伴う水間りを配することで,その下に広がるスペースを多様なフリースペースとすることができた.1階にはこのスペースを支援するキッチン・客用トイレ・クロゼットが控えている. このような諸室の配置を決めたところで,次に囲繞する度合いの高いもの,また水回りの諸室をひとつにまとめ,筒状空間を支える柱・梁架構の空間に,それと対比的に黒漆喰塗り(漆喰に硝煙を混入している)の壁構造的要素で囲い込んで、北側に挿入した.筒状空間の南側2階にはベッドルームとルーム1・2,そしてクロゼットを配しているが, 内部側仕切り面を半透明の樹脂パネルとして(ベッドルームでは下地を有孔ベニヤとアクリル板で塞ぎ,光を取り入れると共に遮音している),柱・梁架構の中に軽く浮いているように見せた. 敷地の形状は矩形ではなく,利根川に沿って北東方向に屈曲しており,筒型を矩形と扱えば,生活空間に参与しない北東部分が生まれることになる,矩形の漆喰塗りのゾーンを敷地形状に合わせて,ガルバリウム小波仕上げげの筒型を突き破るように捩じ曲げ,この部分に朝食用のカウンターと共に,外部には2階バスルームから出られるエキスパンドメタルのデッキを配することができた.このねじ曲げた行為を西側の漆喰塗りの壁面に視覚化させた. 垂直の壁面は直線ではなく,円弧を描くと共に,そのR 状壁面が摺曲したような表現を与えたのはその結果である. 私が長年研究してきたガウディの「カサ・ミラ」が脳裏に浮かんだ.規模も構造も違うが,木造軸組でどのようにして彫塑的な表現が可能かを真摯に試みたつもりである.表現の原型は油土でつくり,石膏や樹脂を経て石膏型をつくった。それをコンタ状に数値変換してコンピュータに取り込み,原寸で各レベルの曲面の形態を出力させ,それをコンパネに当てて切り取り, 一枚一枚を壁面に貼りつけることによって摺曲する面の下地ができ上がる.その上に,防水紙とラスを張り,左官がモルタルと黒漆喰を塗り込んで仕上げた.柔らかいが,勁く鋭い表現となった.薄いアルミの庇がその表現をなだめている. 「カサ・ミラ的」としたゆえんである.これは,住まうということに積極的なご夫妻に支えられて実現できた作品である
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