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中佐昭夫/ナフ・アーキテクト&デザイン
中佐昭夫/ナフ・アーキテクト&デザイン
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House with the Shore

クライアントが自宅用として住戸を購入したマンションは、小さな私鉄の駅を降りて数分の線路沿いに立っている。周辺は静かな住宅街で、走る電車にも町を歩く人にも、そしてマンションを出入りする住人にも、どこかのんびりとした雰囲気が漂っている。 そのゆったりとした流れに面する住戸の線路側の窓と廊下側の窓、それぞれに帯状の「ほとり」をつくった。 帯状の「ほとり」は、土間・インナーバルコニー・自転車置き場など、室内外をつなぐ機能を持っていると同時に、収納・観葉植物置き場といった室内外の緩衝機能も備えていて、その内側にあるLDKや寝室での居心地を整えてくれる。 住戸は間口が広くて窓が多いのが長所でありながら、細かく部屋で仕切られていてそれを実感できない状況だった。したがって光や景色を室内から十分に感じられるように間仕切りを撤去して、窓を開ければ風が通り抜けるワンルーム的な空間をつくりつつ、トイレや洗面は壁で囲って中央に置き、寝室には可動の間仕切りを設けてプライバシーに配慮した。 LDKや寝室の床は足触りのよいフローリングとし、壁や天井は白を基調としてニュートラルに仕上げている。「ほとり」の床は機能に応じてタイルやカーペットとし、壁や天井は2つの色を使って仕上げた。1つは線路側の窓の外に見える周辺環境からサンプリングしたレッドブラウン、もう1つは廊下側の玄関を出て1〜2分でアクセスできる近所のカフェから引用したモスグリーンとしている。 その近所のカフェはクライアント自身が経営していて、静かで落ち着いた店内にはモスグリーンが印象的に使われている。クライアントによれば、カフェで提供する菓子類の試作が自宅でできるのはとても便利で、将来は自宅でカフェと連携した料理教室なども検討したいとのこと。そのような相互利用が想定されるのであれば、色も互いを連想できる方が良いのではと考えた。 そんなこともあって、キッチンカウンターは来客の視点で空間のアクセントになるように廊下側の玄関から入った正面に配置し、正方形のアイランドタイプで作業面・収納量・アクセス性を確保した多機能なものとしている。 反対の線路側には、雲の動きや電車の往来を見渡せる窓に面したワークスペースを設けている。ゆったりと流れる景色がもたらす居心地は、静かで落ち着いたカフェのそれとはまた違っていて、事務作業にもメリハリを持たせられるのではと考えた。 町の雰囲気や職住近接の条件から様々な要素を抽出し、リノベーションとして住戸内に還元することで、コンパクトながらも快適で広がりのある生活空間をつくろうと試みている。 -中佐昭夫-
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