計算する実際のところ、その空間にどれだけの光が必要なのか分からない、という人も多いのでは。おおまかなガイドラインとして、アメリカでは、部屋の面積(平方メートル)に16をかけた数字が、必要なワット数の目安だといわれています。CFL(コンパクト型蛍光ランプ)やLED(発光ダイオード)の照明機器を選ぶ場合、白熱ランプでどのくらいのワット数に相当するのかを確認すること。例えば、13ワットのCFLなら、光出力(明るさ)は60ワットの白熱ランプに相当します。ワット数は、実際に電球が消費する電力を測るもので、明るさの度合いを示すものではありません。予算が許せば、すべての回路に調光装置を取り入れて、できるだけ明るさをコントロールできるようにしましょう。調光装置があれば、ワット数が高い電球を設置してしまっても、調整することができます。
3つの照明タイプをおさえる効果的な照明デザインの多くは、アンビエント、タスク、アクセントという3種類の照明を組み合わせています。プロは、この3つすべてを、比率を工夫しながら使いこなしています。アンビエント照明ある空間を全体的に明るくする照明は、アンビエント照明と呼ばれます。タスク照明もアクセント照明も、部屋の明るさに多少は貢献しますが、全体的な明るさとムードを決定するのはアンビエント照明です。こちらの部屋の場合、右側(写真の外)にある大きなガラス壁から入る光が、主なアンビエント光源となっているほか、天井に取り付けられたウォールウォッシャー(壁面を広範囲に明るくするライト)もあります。まぶしい屋外から対照的なほの暗く涼しい屋内へと、徐々に変化をつけながら、守られた安心できる空間を演出しています。タスク照明デスクの上のペンダントライトが、ワークエリアを照らすタスク照明です。多少は部屋全体を照らしている部分もありますが、アンビエント照明としての機能はあくまで二次的です。また、作業するワークエリアとくつろぐソファエリアを分ける役目も果たしています。アクセント照明テーブルランプがアクセント照明になっています。隣接する壁ぎわの一部分を明るく照らしていますが、ワークエリア自体にはほとんど光は届きません。この照明と、ほかの2種類の照明とを重ねて使うことで、部屋の中に明るい部分と暗い部分ができ、砂漠の中の涼しいオアシス、という全体のインテリアコンセプトが強調されています。
光源を隠す隠された光源から空間を照らすことで生まれる効果は2つ。1つは、建築的なフォルムや構造を強調すること。もう1つは、とくに狭い空間の場合に、深みを感じさせることです。この方法を取り入れるには、天窓、スカイライトチューブ、クリアストーリー窓という選択肢があります。傾斜のある地形にはまり込むように建てられたこちらの家。隠された光源から射し込む光によって、周りを取り囲んでいる大地の重みや、この空間の左右の標高の違いが際立ちます。複雑なフォルムで、全体像がひとめでつかめない家ですが、そのコンセプトに沿った光の取り入れ方になっています。光がどこから入ってくるのか分からない場合、人間は本能的に、光源のある外部空間まで意識するため、空間のとらえ方が広がります。これは、大きな効果をもたらします。
伝統を継承しつつ進化する和室茶道の「にじり口」を連想させる低位置の窓。障子を閉めると単なる和室でしかないですが、開けたときの驚きは、慎ましやかな日本の美を想わせます。日本庭園の坪庭をイメージした窓越しの植栽、わひさびを感じさせる壁の設えは、日本古来の和室の良さを取り入れつつ、現代風にアレンジされています。
そこに集いたくなる炭火の魅力洋風にアレンジした囲炉裏。それがあるだけで、生活に刺激を与える異空間的な感覚を演出できます。囲炉裏を囲んでの団欒は、いつも話さないことまで語ってしまうような、楽しい時間を与えてくれそうです。使わないときは蓋をすることができるので、灰が舞うこともありません。
光で導くこちらでは、地面に埋め込んだ直線状のライトが、家のエントランスへと導くラインになっています。角にある縦長窓からの光が外壁を照らし、四角い窓は家庭のぬくもりを感じさせます。デザイナー設計者は、昼と夜との違いをふまえ、その変化を照明でどのように見せるかを考えます。この家では、シンプルな歩道に小さな工夫を加えて、素敵な夜景を作り出しています。普通の体験をつくりだす「当たり前」というしばりを超えて考えれば、魅力的な結果が生まれます。写真はまさに、シンプルな手法でそれを実現した例といえます。照明のことをもっと知りたいなら、こちらの記事がおすすめです!教えてHouzz照明について、みなさんの考えをおきかせください。
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